【経済潮流】揺れる「通貨の番人」 米FRBと政権が全面対決へ

~司法介入の異例事態、ビットコインは「ドルの代替」として急伸~

【ワシントン=2026年1月13日】 米金融政策の独立性をめぐり、歴史的な緊張が走っている。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は11日、米司法省による刑事訴察の動きを「政権による脅迫と継続的な圧力」と断じ、真っ向から抗議する声明を発表した。

■「ビル改修」を口実に利下げ迫る

司法省は、パウエル氏が議会で行った「FRBビル改修プロジェクト」に関する証言に虚偽があった疑いで捜査を開始。しかし、市場関係者の多くはこれを、大幅な利下げを求めるトランプ政権による「パウエル排除」の口実と見ている。

パウエル氏は声明で、「刑事訴追という脅しは、国民にとって最善の評価に基づき金利を設定していることに対するものだ」と強調。中央銀行の独立性を守る姿勢を鮮明にしたが、ホワイトハウスとの対立は修復不可能な段階に達している。

■ 仮想通貨市場、ドルの「信認低下」を注視

この政治的混迷に対し、仮想通貨市場は敏感に反応している。ビットコインをはじめとする暗号資産が急伸している背景には、以下の2点がある。

  • 「デジタル・ゴールド」への資金逃避: 政治圧力によって中央銀行の独立性が失われ、無理な利下げが行われれば、ドルの価値は下落しインフレを招く。投資家は、政府の意思で発行量を増やせない「政治から独立した資産」として、ビットコインへの避難を強めている。
  • 「ハト派」次期議長への期待感: 2026年5月に任期満了を迎えるパウエル氏の後任として、トランプ氏は「大幅な利下げを支持する人物」を指名すると宣言。有力候補のケビン・ハセット氏らは仮想通貨に理解があるとされており、新体制への移行が市場への資金流入(流動性拡大)を加速させるとの思惑が広がっている。

■ 市場の不確実性と今後の焦点

予測市場では次期議長候補としてハセット氏とウォーシュ氏が競っており、誰が選ばれるかで今後の金融規制のあり方も大きく変わる見通しだ。

国家の信用を背景とする「ドル」が政治の波に洗われる中、プログラムによる信頼を背景とする「ビットコイン」がその代替としての存在感をかつてないほど高めている。パウエル氏の抗議は、伝統的な金融秩序が維持できるかどうかの瀬戸際を象徴している。

出典:CoinPost https://coinpost.jp/?p=680222

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